期末監査
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監査にはいくつかの種類があります。今回は、監査の集大成ともいえる期末監査について解説します。
■期末監査とは
一般的に企業では、四半期ごとに期中監査を行います。
例えば、日本でメジャーな3月決算においては、年度の第2四半期(7〜9月)から第4四半期(1〜3月)まで期中監査が行われます。
期末監査は翌年度の第1四半期(4〜6月)に行われ、期中監査の総まとめのような役割を持ちます。つまり、期末監査は年度に行われた期中監査をまとめあげ年度の監査を締めくくるのです。
■期末監査の流れ
期末監査の流れは企業によってさまざまですが、代表的な例をご紹介します。
1.実査
まず、実査というものを行います。実査とは、現金や株券などの資産が会計通りに実在するか確認することです。
この実査は、期末日直後に行うのが一般的です。理由としては、決算日において資産が実在していたかを確認することが重要であるためです。
さらに、現金や株といったと換金性流動性の高い資産は不正を防ぐために、同時に実査されることが一般的です。
2.計算書類の監査
損益計算書などの計算書類を監査します。
計上金額と総勘定元帳残高が合致しているかどうかや形式が妥当であるのかも確認します。
監査を終えると、監査を担当するチームとは別の監査に関わっていない第三者の審査担当から承認をもらって、監査意見表明を行います。
3.有価証券報告書の監査
有価証券報告書にはさまざまなものが含まれますが、特に重要なのは財務諸表です。財務諸表を基に行動を決める投資家や株主が多いことから、この財務諸表に不備や不正があった場合、多数の利害関係者が損害を被る可能性があります。
有価証券報告書の監査においても、監査を担当するチームとは別の監査に関わっていない第三者の審査担当から承認をもらって、監査意見表明を行います。
4.監査報告書の作成
監査が終わると、これまでの監査についてまとめた監査報告書を作成します。
この監査報告書も監査を担当するチームとは別の監査に関わっていない第三者の審査担当から承認をもらう必要があります。
承認をもらった後は、監査責任者が監査報告書を株主総会に報告、提出します。
■まとめ
今回は、期末監査について解説しました。期末監査は、年度の監査の総まとめであり、財務書類に客観的な信頼を与える重要なものです。期末監査そのものは3カ月程度で終わりますが、期末監査は期中監査との関連が強いため、スケジュールは早めにたてる必要があります。
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