株価算定が必要な理由
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企業が活動する上で株価算定が必要になるタイミングがあります。では、株価算定はどんなタイミングで必要となり、どんな目的でなされるのでしょうか。今回は、株価算定が必要な理由について解説します。
◾️株価算定とは
株価算定とは、株式の価値を客観的に把握することです。
上場企業の株価算定は、市場価格を基に算出されるのが主流ですが、非上場企業の場合は、市場での取引がされていないため、市場価格のような客観的な指標がありません。
そのため、非上場企業の株価はさまざまな方法で客観的な価値に換算されます。
◾️株価算定が必要な理由
次に、株価算定が必要な理由をご紹介します。
・株主への説明
株主に対して、投資などの活動が適切であったことを示すために株価算定を行います。
投資であれば、その投資が適切であったことを示せない場合、株主からの納得を得ることは困難です。
そのため、投資をしたことで株価が上がったことを示し、投資が適切であったことを証明するのです。
・事業承継
自社株を後継者に引き継ぐ場合、法定相続人がもつ遺留分との兼ね合いが難しくトラブルになるケースがあります。
そうしたトラブルを防ぐために、固定合意という制度があります。
固定合意とは、相続における株価を相続人が合意した価格で固定することです。
一度合意して固定された株価は、株価が変動した後でもそのままです。
こうすることで、遺留分がいくらかはっきりするため、トラブルを防ぐことができます。
そして、相続人が株価を固定するために株価算定が必要になるのです。
また最近では、M&Aによって事業承継をするケースも多くなっています。
M&Aを実行するにあたって、譲渡側と譲受側が合意するためには、その企業の価値を示す客観的な指標が必要です。
その際に、株価算定をすることで客観的な指標を作成できます。
・税金の算出
株式を譲渡した際に、税金がかかります。
適切な税金を把握するために、株価算出が必要です。
適切な株式の譲渡と税務署に認められない場合、支払わなくてはならない税金が増える可能性があります。
特に同族株主間で株式の譲渡が行われる場合、取引価格が適正価格よりも低い場合があります。そのため、税務署は同族株主間で株式譲渡が行われた際には、それが適切であったかを厳しく確認します。
そうした場合に、株式の譲渡が適切であったことを示すために株式算定が必要です。
・その他
上記以外にもさまざまな場面で株価算定が必要になります。
メジャーなものとしては以下の通りです。
・金融機関からの融資
・ストックオプションの発行
・エクイティ調達
・株価をめぐる裁判 など
◾️まとめ
今回は、株価算定が必要な理由について解説しました。
企業にとってはさまざまな場面で株価算定が必要とされます。
和唐公認会計士事務所は、福岡市、久留米市を中心に相続、資金繰り・経営相談、M&A、株価評価、監査などに関するご相談を受け付けております。株価算定についてお悩みの方や検討中の方はお気軽にご相談ください。